話の種

掃除の手抜きは簡単にはいきません

最近風呂場や台所の流しにスプレーしてカビや悪臭を、掃除せずに予防するという手抜きな主婦に大モテの製品があります。 こちら一例

銀を含む、ある種の金属は微生物の発育を阻害したりする能力があることも知られています。 また、銀は昔からお金持ちの食器に使われるくらいで、毒性がほ ぼ無い金属として知られています。 こちら  我が家はお金持ちとは縁遠いので銀食器は チーズナイフくらいであります。 あーXYLはジョージイェンセンの銀アクセサリーが好きだなぁ どちらもコチラ

で、スーパーマーケットの棚の前で「これを撒くとカビがなくなるのー」とお馬鹿な発言をしている奥さん方を見るにつけ、XYLとPGJはボソッと言うので した。

「洗えよ。。」

こういう製品を消毒薬といいまして、従来はハイターな どの塩素系漂白剤が主力でした。
塩素は適切に使えば、少量で健康に無害で大きな殺菌効果を得ることができるので水道水の消毒にも使われております。 また、食品の消毒や食品工場の消毒に も広範に使われておりまして、皆様の健康を守る一助となっているわけです。

ところが、10数年前ころから、ハイターやカビキラーのような塩素系洗剤と、クエン酸やリンゴ酸、塩酸などを配合した酸性洗剤と混ぜて使用して塩素ガス中 毒におちいる大馬鹿者が大量増殖し、この結果、家庭用品製造会社は このような広報を さんざんする羽目になりました。
理科教育の衰退と、馬鹿の増殖は因果関係大有りです。
自爆で済めばいいですが、よりにもよってメーカーを訴える輩や、苦情窓口に理不尽な言いがかりを言い募る輩が増えたそうで。。。
(まず使用上の注意を読め!)

そこへ出てきたのが、銀イオンの殺菌能力とアルコールの殺菌応力を併用したこのスプレー剤です。
なにしろ毒ガスを出さないから「安心安全(素人を騙すに、こんな便利 な言葉はありません。 発明した人は表彰ものだね)」で、売れております。
洗剤メーカーも馬鹿なユーザーがガス中毒になって苦情をねじ込んでくる事を防ぐことができます。 一石二鳥。

しかし、手洗いでも、食品工場の洗浄でも清潔な洗浄の基本の基礎は、「はじめに汚れを落としましょう。」 です
汚れを落とさず消毒薬だけ撒いても、蒸発などで消毒薬の効果が無くなったり、汚れが強くて消毒剤が効かなかったら、効果はまるで期待できません。 また、 よごれが消毒成分を無効にしてしまう事も多々有るからです。

クルマを磨くにしたって、泥や埃を落としてからワックスを塗るでしょ? それと同じ理屈です。
いきなりワックスを塗っても車は光りません。

汚れが残っていれば細菌やカビが汚れを餌にして、どんどん増えます。  「まずエサを取り除き、そして菌数を減らす為に消毒する」と言うのが清掃、衛生の 基本。

まず、湯殿の場合、ぬるま湯でざっと流し中性洗剤でこすり洗いをし、ぬるま湯ですすいでから塩素漂白消毒なり、銀スプレーなりすると言うのが正しい順序。

消毒薬は「油脂やたん白汚れの無い場所の生菌数を少なくする」のが仕事ですからね。 詳しくは「話の種」の手の洗い方でも見ていただいて。

我が家は毎日風呂場を中性洗剤でごしごし洗っていますが、日本へ帰ってきて家を借りる為に何軒かの貸家を見て回った際、風呂場がカビだらけの家の多かった こと!
あの、コキタナイところにいくら銀を撒いてもなぁ。 とおもうのですよ。

このほかにも、トイレのアンモニア臭を消すとか言う売り文句の物も見ますが、「アンモニア発酵が起きるまでトイレの壁も床もマットも掃除洗濯しないの か?」と、思いませんか? 
オゾマシヤァァァァ
ま、入浴せず垢だらけの人が香水で臭いのをごまかすのと同じ理屈ですかね?

まぁ、あの手の商品を喜々として使っている人々を見るとXYLとPGJは、「けっ、 まず洗えよ」とつぶやくのです。hi

ところで、アルコール消毒だといってむやみやたらとアルコールを撒くと、アルコールを餌に酢酸菌が酢酸発酵をして酸っぱい臭いがムンムンになりますよ。  クルマの室内用のアルコール系消臭剤も、使いすぎたり換気をしそこなうとえらいことになりますよ。  これに失敗して国宝を破壊してしまった考古学しか知らない人たちの馬鹿話はこちら


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