話の種

Grow-safe
 
グローセーフ

無免許は駄目よ

なんと、ZLの農家は農薬使用免許状を持っている。

それが驚く事かといわれれば、驚く事ではないです。 ZLの農家にしたら日本の農家が農薬を使うのに免許が要らないほうが驚きですが。

ニュージーランドの、ほとんど全ての農家はグローセーフ資格を持っています。 (例外はオーガニック栽培農家)

この資格は、農家自身の健康の保護、環境の保護、消費者の健康の保護の為に、農業用化学製品(化学肥料や農薬)を使う人に義務付けられている資格で、1992年に制定されました。  この資格が必要な人は、農家の他に、農薬や化学肥料の流通業者、農薬や化学肥料の散布請負業者などで、林産業者も、含まれています。

グローセーフは、「NZ Agrichemical Education Trust / NZ農業用化学製品教育基金(直訳)」という機関が、付与している資格で、この機関は次のようなメンバーが理事や関係人となって運営されています。

マッセー大学農学部教授、
農家組合メンバー、
NZ果樹栽培組合、
NZ森林所有者組合、
農業航空事業組合、
NZ野菜馬鈴薯生産組合、
家畜健康並びに農産物保護協会、
NZ食品安全局、
NZ獣医師組合、
NZワイン生産者組合、
青果輸出会社並びに団体、
食肉並びに羊毛改良研究所

この、メンバーを見れば判るとおり、NZの殆どの農産関係団体が参加しています。 そして、NZの農産生産者が殆ど輸出で生活している事を考えれば、これは全員が、NZのブランドイメージを守る為に、いかに真面目に取り組んでいるかのあらわれです。
なにしろ、この国は農業こけたら自動的に破産する国ですので。

この資格を得る為に、農家は次のような勉強をします。

農業化学製品の安全と実際、
適切な散布方法並びに機械散布法、
農業化学品の安全な輸送並びに保管、
使用残与品の安全な保管並びに廃棄、
正確な計測方法、
植物疾病と栄養障害についての知識、
雑草の識別法、制御方法、防除計画の立て方
その他、特に個別作物に重要な項目、

そして、資格を取ったら、こっちの物と云うわけには行きません。 3から5年に一度の立ち入り検査や、講習会への出席が義務付けられていますから、農家は、常に最新の安全利用法について知識と実際を得ている事になります。 ここいらへんは、運転免許よりきついですね。

日本には、この様な個々の農家に資格を求める制度はありません。  県ごとに農薬適正使用アドバイザー、農薬管理指導士などの資格が、農薬の販売者や、施行業者にだけ求められています。 そのせいか、農家が勘違いで対象作物以外の作物に、対象以外の農薬を使ってしまったとか、使用できない安い輸入農薬を使ってしまった、と云うような事がしばしば起きています。

NZではグローセーフの登録を抹消されてしまったら、事実上農産物の出荷が出来ません。 つまり、皆、法律の尊守に真剣です。それに、グローセーフは、肥料についても適性使用を定めていますから、農業由来の環境汚染を低減するという意味で、地球にやさしい農業をサポートしているとも言えます。

   
私の勤務先の農事課長は、栽培委託先の農家が、きちんと資格を保持しているか確認して栽培契約を結びます。
(本当に西洋人は書類が好きですよ。)

農業製品でも、自動車のような工業製品でも、製品規格通りの製品を作る為には、2通りの品質手法があります。
ひとつは最終製品規格を作って、製品を検査して、その良否を判断するもの。 
もうひとつは、製造の各段階で製造規格を定めて、規格どおりに作っていけば、最終製品は製品規格どおりの製品ができるというものです。

現在の先進国の工業品質管理は後者です。 ですから、全ての製品に最終製品検査をやることは一般民生品ではなくなりました。 約束どおりにきちんと作れば、最終検査はやらなくて済みようになったわけです。



ところが、工業先進国日本の農業は、未だに最終製品規格の世界なのですねぇ。 残留農薬基準を設定する事は大事ですが、「どのようにすれば安心して出荷できる農産物を作れるか」と云う考え方を、確実に実施できる手法を導入する事が大事ですね。

グローセーフは、まさにその手法です。

ZLの全ての農産物は、グローセーフ農家が作る、安心してたべられる農産物です。
が、それでも皆さん日本国産が良いのよねぇ  私は悲しい。

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