醍醐寺 庭園風景3

醍醐寺がすごい

案内のお坊様によりますと、「国宝で、同時に特別名勝で、国指定名勝はめったとありません」そうです。
おまけに豊臣秀吉が実際に歩いたことがある建物が唯一現存しているのも醍醐寺だそうです。(他は皆、燃えてしまったか、打ち壊されたか)。

所蔵している国宝・重要文化財の数が国宝75,522点、重要文化財425点(醍醐寺ホームページより)だそうで、Wikipediaに列記されている量だけでも大変な数です。

「まもなく、この寺宝の調査に伴い箱書きを墨と毛筆で書いて膠で貼るという作業をせねばなりませんが、点数が点数なので本当に大変なんです。でも私の箱書きは次の調査まで2?300年は持つらしいです」と上記坊様が仰せでした。由緒があり、かつ焼けていない寺院は大したもんです。

この点、比叡山延暦寺が信長に焼かれたのと、そもそも焼かれる前に山上の伽藍は衰退していたのもあり、有名な割に見るべきものは少ない寺院であるのと対照的です。

醍醐寺の歴史については 醍醐寺公式サイトWikipediaの醍醐寺記事 を見てくださいまし。秀吉の「醍醐の花見」で有名な、あの醍醐です。

諸料金と所要時間の現実

まず、醍醐寺といえば「料金がやたらかかる」というのが一般的な感想だそうで、PGJもPGKも「ふんだくるなぁ」とホームページを見ながら言っておりました。
坊様にもその認識がありまして、「と、申しますのも、これだけの国宝と重要文化財を修理、修復、維持管理していくのは、本当に大変なんです。」

訪問して、その大変さを見ればわかります。

ちなみに、2021年11月現在の諸料金は――
・拝観券 大人 1,000円(桜のシーズンは1,500円)
「4月になったら芋洗いだから3月末に来ると良いですよ」(上記坊様)
・三宝院御殿拝観券 大人 500円
・霊宝館 大人 500円以上のお志
・駐車料金 1,000円(5時間) 下醍醐だけで全て拝見するのに4時間かかります。
・上醍醐地区と呼ばれる山上の塔頭までは徒歩1時間で別に大人600円かかります。

というわけで全山くまなく拝見させていただくと、お一人様 2,600円。さらに国宝の維持管理の一助にと賽銭も増えます。
滞在時間は下醍醐だけで4時間半かかりましたので、上醍醐を入れると往復の徒歩90分を入れて7時間強。さらに食事の時間もありますから8時間は掛かるでしょう。
8時間の駐車料金は1,000円(5時間)+超過料金600円で1,600円。「週末は駐車場がパンクするので電車で来い」状態ですので、周辺の民間駐車場に駐めると、またすごいことになるのかも。
PGJ等が行った日は平日でしたのでガラガラでした。

醍醐寺秋の風景

注)日本史の素養がある、古建築に興味がある、仏教美術に興味がある、というような方は、確実に1日潰れますので、その覚悟で行きましょう。

三宝院御殿の移築と建築美

三宝院の御殿は秀吉が奈良興福寺から攫ってきた

大和大納言秀長 が大和国の行政訴訟でくたびれはて、そこへ見舞いがてらやってきて訴訟処理をエイヤした秀吉が奈良で宿舎にしたのが興福寺の能舞台付き御殿。この御殿が気に入って興福寺から醍醐寺に移築させたというのがこの三宝院御殿だそうです。

日本の古い建築は分解結合可能なので、結構あちこちで「元XX城の門」「元XX寺の金堂」なんてのがありますが、漆喰土壁を塗りなおすのは一からの作業なので、簡単な仕事ではございません。いわゆる金持ちの道楽。
この御殿、当然のように段付きの上段下段が座敷にある訳ですが、最下段の畳の下は板張りの舞台になっております。
能舞台が現在のように一段高くなっているのは江戸時代以降のことだそうで、安土桃山までは能狂言は上から見下ろすものだったそうな。

堂上公家が舞うこともある雅楽とは違うのですなぁ。役者は河原者と呼ばれ身分が低い者と扱われていた時代のお話。
これが江戸時代になると公方様が舞う「御能」を見下ろすわけにいかんので舞台が上がったんでしょうねぇ。

獲ってきた建物に更に継ぎ足したので、建物の連結部分は庇(ひさし)がこのように互い違いに組み合っているのです。

座敷の中の襖絵は外して別途空調倉庫で保管されておりまして、印刷した複製が飾られています。
室内は撮影禁止なので襖の写真は こちら をご参照。

PGJは元印刷屋なので、ひと目で「あぁ印刷ね」と思いましたが、「印刷では金色が出ませんので、金箔の上に印刷しました」にはたまげました。
金箔の上に印刷するってエプソンの特殊機だろうか?
大日本印刷DNPが大徳寺の襖絵を始め文化財を複製しまくっていますが醍醐寺はリストにないですね(DNP 伝承美)。
備考)空調とは 空気調和 の略。嘘みたいな本当の話。

庇の重なり 庇が互い違いに組み合う接合部

特別名勝・庭園と「天下取りの藤戸石」

で、庭です。
桜と紅葉のシーズンがウリらしいですが、お坊様いわく「4月は花見より人見なので、桜が見たい方は3月末に来てください。まだ空いています。」
こういう回遊式池あり庭園は鎌倉時代以降絶えていたのが秀吉によって復活したそうで。まぁ芸術家が側に居たんでしょうね。

庭園全景と藤戸石
天下取りの「藤戸石」

奥に見える四角い石。
「これを持ったものは必ず天下を取る事ができる石、藤戸石
「ただ、天下を取ることはできるのですが、足利家、織田信長、秀吉、秀次、皆、あれよあれよと言う間に滅んでしまうのですねぇ」

藤戸石拡大

と説明をしてくださるお坊様。(要予約で毎日開催という訳でもないので為念)。

人工衛星軌道に寺院を打ち上げる計画「GOUNJI」

ところで、醍醐寺では人工衛星軌道に寺院を打ち上げる計画だそうで、宇宙寺院 劫雲寺(GOUNJI) です。

※撮影許可済み

伽藍と国宝五重塔

国宝五重塔 国宝 五重塔

これまた国宝の五重塔。
こちらの塔、心配になるほどセキュリティ装置が見当たらず。大丈夫なんだろうか?
ともあれ、本当に美しい塔ですよ。

伽藍風景1
伽藍風景2

こちら下醍醐の一番奥、弁天堂。
水面に映る堂宇と紅葉が鮮やかです。

弁天堂
五重塔 見上げ

次回は上醍醐へ

次回は山上の上醍醐に行ってみたいものです。

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